2022.01.06
珊瑚(サンゴ)と聞くと海に生えている美しいものを想像するでしょう。
今回はジュエリーとしてのサンゴの魅力を紹介します。
まずサンゴは、クラゲやイソギンチャクのような刺胞動物の仲間でありながら、ジュエリーでもあるというとても珍しい位置にいる生物です。
その中でもジュエリーとして扱われるサンゴは宝石珊瑚と呼ばれており、別名コーラルとも呼ばれます。ブラッドストーンとアクアマリンと並んで3月の誕生石としても重宝されているほど人気のあるジュエリーです。
基本は赤く美しい艶のあるジュエリーですが、他にも白、ピンク、橙など明るく可愛らしい色が豊富なので、若く華やかな雰囲気から大人な落ち着いた雰囲気まで、何歳になっても年代に合わせたファッションに取り入れやすいです。
サンゴは生物であることから、特に本物か偽物か気になるところですよね。
赤ければ赤いほど高級とされており、中でも最高級のものは、血潮のように真っ赤な色をした「血赤珊瑚(チアカサンゴ)」と呼ばれ、世界的に希少価値が高いです。特に色味の良いものは、高知県近海の土佐湾で採れ、世界レベルの最高級品です。
サンゴにはカラーグレードがあり、「色味・色ムラ・ヒ・フ・白濁・キズ」の5種をS>A>B>C>Dの順でランク付けしています。
特に聞き慣れない項目であろうヒはヒビ、フは斑点や模様を指す言葉で、これらはなければないほど最高品質とされています。
また、偽物の中には、ガラスやプラスチックを着色したものが存在しています。サンゴ自体色が透明でないため素人目で見分けるのは難しいので、専門の鑑定員に依頼するのをおすすめします。
ジュエリーではあるものの、厳密に言えば石ではないサンゴが他ジュエリーと同じように世界中で宝飾品として愛されている理由。それはサンゴには世界各地で様々な言い伝えと歴史があるためです。
歴史を遡ると、旧石器時代にまでなります。当時のギリシャ、ローマ時代の壁画にサンゴが描かれていたり、宝物として重宝されていたようです。サンゴの赤は、ギリシャ神話の怪物が退治されたときに流した血を浴びた海藻がサンゴに姿を変えたという言い伝えから、神聖な意味を持ちました。
日本でサンゴがジュエリーとして重宝されるようになったのは、仏教が伝来した時代。それから江戸時代になるまで地中海産のサンゴが主流でしたが、明治以降では国産サンゴの採取が活発化し、それからは土佐沖のサンゴが世界品質として認められて高知県の伝統産業になりました。
また、石言葉は「幸福」と「長寿」が代表的なので、お守りとして持ったり、赤色なことから還暦のお祝いの贈り物としてもぴったりです。
他にも、ヨーロッパの方ではサンゴは子どもを守るお守りとして定着していることもあり、安産祈願に贈るのも良いです。
サンゴは石ではなく生き物でありながらジュエリーです。
高級品質の証拠である真っ赤な赤色は、生命力に満ち溢れているような力強い印象を与えてくれます。大切な人への贈り物にも自分のお守りにも、持っていて困ることはありません。
光り輝くジュエリーだけでなく、サンゴもぜひ検討してみてください。
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